みちくさの達人
参拝後のおいしいご褒美。ハイセンスな京都の門前カフェ7選

門前茶屋、門前菓子という言葉があるように、お寺や神社に参拝した後の休憩や甘いものは、日本人にとって欠かせないお楽しみ。時代が変わった今も、それは変わりません。ここでは、歴史ある京都の寺社の近くで出会える、洗練されたカフェ7軒をご紹介。ぜひ、旅のコースに加えてみてください。

空気もおいしい大原の里で、大地の恵みあふれるランチを

「本日のランチ」1,200円。写真はある日の一例でラタトゥイユ、かぼちゃの冷製スープ、牛肩ロースのグリルなど 「本日のランチ」1,200円。写真はある日の一例でラタトゥイユ、かぼちゃの冷製スープ、牛肩ロースのグリルなど

比叡山のふもと、のどかな田園風景が広がる大原の里。高野川の清流沿いの小道にある「KULM」は、三千院や寂光院など、界隈の歴史ある寺院をめぐる旅の休憩におすすめのカフェです。
元・漬物屋さんの古い倉庫をリノベーションした店内は、木の温もりに満ちた山小屋のような雰囲気。BGMは川のせせらぎや小鳥のさえずり。地元・大原産の新鮮な野菜をふんだんに使ったランチプレートを味わいながら、のんびりと過ごすことができます。

お手製デザート&コーヒーで、ゆるりおやつ休憩も

古い大きな梁が印象的な店内。入口の前には大パノラマで畑が広がり、カウンター席の前は高野川の清流 古い大きな梁が印象的な店内。入口の前には大パノラマで畑が広がり、カウンター席の前は高野川の清流

KULMの店主はイタリアンレストランなどで修行後、ご兄弟で人気飲食店を営んでいた方。素材のうまみを巧みに引き出し、ドレッシングやソースに至るまで丁寧に仕上げられています。一品一品がしみじみとおいしく、食べ応えも抜群。リピーターが多いというのもうなずけます。
食後のデザートのおすすめは「プリン風チーズケーキ」。名前の通りプリンのビジュアルをした濃厚なケーキで、フェアトレード豆を扱う京都「ウフコーヒー」のドリップコーヒーにもよく合います。

みちくさの達人コメント
店の隣の芝生には、ウッドデッキのテラス席も。季節の良い時期は、高野川を見下ろしながら、外でごはんを食べることができます。
KULM
  • https://kulm.kyoto
  • 京都府京都市左京区大原来迎院町117 MAP
  • 京都バス「大原」下車徒歩約3分
  • 11:30〜夕方 ※夜カフェ 17:00〜22:00(要予約)
  • 不定休
  • 090-9234-0770
  • なし

見目麗しいパフェで、国産フルーツのおいしさを体感

左「和束茶パフェ」1,800円、右「北野ラボオリジナルフルーツパフェ」1,650円 左「和束茶パフェ」1,800円、右「北野ラボオリジナルフルーツパフェ」1,650円

天神さんの愛称でおなじみ、学問の神・菅原道真公を祀る北野天満宮。大きな一の鳥居の目の前、愛らしい赤い扉のお店が「北野ラボ」です。「全国の農家さんを訪ねて出会った」という、こだわりの国産フルーツで仕立てるコンフィチュールとシロップの専門店で、カフェも併設。パティシエが手がける旬のフルーツを使った約10種類のパフェやドリンクなどが揃います。思わずため息がこぼれてしまうほど、華やかなビジュアルも必見です。

色とりどりの瓶が並ぶ店内は、まるで宝石店のよう

赤色を基調にしたエレガントな店内。瓶詰めのコンフィチュールやシロップは、どれも添加物不使用 赤色を基調にしたエレガントな店内。瓶詰めのコンフィチュールやシロップは、どれも添加物不使用

スペシャリテのひとつが、京の茶どころ、和束の茶畑に見立てたショコラドームが覆う「和束茶カフェ」。上から温かい抹茶ソースをかけると、ドームが割れて、ベリーやほうじ茶のジュレで仕立てた里山の風景がパッと現れるサプライズ付きです。
旬の果実をたっぷり盛り込んだ「フルーツパフェ」も人気です。濃厚な甘み、爽やかな香りが特徴の「瀬戸内みかん」のコンフィチュールがアクセントとなり、最後のひと口まで甘い幸せが続きます。

みちくさの達人コメント
仕入れるフルーツは原種に近いものが多く、果実本来の酸味や甘みを楽しめます。2022年1月末にはご近所に、コンフィチュールを使ったタルトと焼菓子の店「コンフィッタ・クロレ」が誕生。合わせて訪ねてみてください。
北野ラボ
  • https://kitano-lab.com
  • 京都府京都市上京区御前通一条上ル馬喰町914 MAP
  • 京福(嵐電) 北野白梅町駅から徒歩約6分
  • 12:00〜18:00(L.O.17:30)
  • 月曜・火曜(祝日は営業)
  • 075-496-8777
  • なし

伏見稲荷の森を借景に。絶景テラス席で癒しのひとときを

伏見稲荷大社の八嶋ヶ池に面したテラス席。まるで山の中にいるような気分 伏見稲荷大社の八嶋ヶ池に面したテラス席。まるで山の中にいるような気分

千本鳥居で有名な伏見稲荷大社は、社殿が建つ標高233mの稲荷山全体が信仰の対象。「お山めぐり」といって、ふもとから山頂まで約2時間でぐるりと一周しながら、お参りも森林浴も楽しむことができます。
「バーミリオンカフェ」はお山めぐりの帰り道に通る、裏参道に佇むカフェ。広いウッドデッキのテラスがあり、その先に伏見稲荷の鎮守の森が広がります。新緑の美しさはもちろん、春の桜、秋の艶やかな紅葉も見逃せません。

メルボルンスタイルのコーヒー、食事も人気の秘密

オーストラリアの朝食「ビッグブレッキー」をヒントにした「バーミリオンブランチ」1,400円(ドリンクつき) オーストラリアの朝食「ビッグブレッキー」をヒントにした「バーミリオンブランチ」1,400円(ドリンクつき)

ヴィンテージ家具やレンガ壁が彩る店内は、オーナーが日本と二拠点で暮らすメルボルンのカフェがコンセプト。コーヒーも現地スタイルで、クリアな酸味とチョコレートのようなコクが融合したこだわりの味。京都「WEEKENDERS COFFEE」が焙煎を手掛けています。
オセアニアスタイルの朝食をアレンジした「バーミリオンブランチ」は旅のエネルギーチャージに。ポーチドエッグやハーブが香るローストポテト、伏見の精肉店「いがや」のソーセージなどを盛り合わせたボリューム満点のセットです。

みちくさの達人コメント
観光ルートに沿って、表参道を通るだけでは出会えない隠れ家カフェ。境内からお店に向かう場合は、社務所を越えてすぐの道を左へ曲がり、裏参道へ出るとわかりやすいです。
バーミリオンカフェ
  • https://www.vermillioncafe.com
  • 京都府京都市伏見区深草開土口町5-31 MAP
  • JR奈良線 稲荷駅、京阪本線 伏見稲荷駅から徒歩約6分
  • 10:00〜16:00
  • 水曜
  • 075-644-7989
  • なし

作りたての食感に感動。絶品わらび餅を数寄屋建築の邸宅で

「わらび餅」1,300円。ほんのり甘味がついているが、別添えの波照間産の黒蜜をかけても美味 「わらび餅」1,300円。ほんのり甘味がついているが、別添えの波照間産の黒蜜をかけても美味

京都で最も古い神社の一つである世界遺産・下鴨神社。緑豊かな境内をめぐった後、ひと息つくのにぴったりなのが「茶寮宝泉」です。北西の参道を出て徒歩10分、下鴨で70年以上愛されてきた和菓子店「宝泉堂」が営みます。
あずきを炊く専門店として創業されたため、素材へのこだわりはひとしお。名物のわらび餅は、注文を受けた後、希少な国産本わらび粉を練り上げて作ります。つるりとなめらかな食感、心地よい弾力感は作り立てならでは。すっと消える口どけのよさもたまりません。

四季折々に表情を変える日本庭園も美しい

涼感あふれる夏座敷のしつらい(例年6〜9月)。夏以外は襖へと変わり、温かみのある雰囲気となる 涼感あふれる夏座敷のしつらい(例年6〜9月)。夏以外は襖へと変わり、温かみのある雰囲気となる

茶寮宝泉の建物は、築100年を越える数寄屋造りの邸宅。凛とした門構えから室内の意匠まで、細部に美意識が宿ります。どの部屋からも日本庭園を望めるので、出来上がりを待つ時間も心豊かに過ごせます。
京都では「建具替え」という文化があり、暑さ厳しい夏には風を通し、光を遮る涼やかな御簾 (みす)や葦戸(よしど・すだれをはめ込んだ建具)のしつらいへ変わります。また、庭の木々が紅葉する秋、ふわりと雪化粧する冬の庭園も見事。ぜひ四季折々に訪ねて、季節の移ろいを感じてみてください。

みちくさの達人コメント
下鴨神社の境内には、宝泉堂が営む茶店「さるや」があります。神社に古くから伝わる申餅(さるもち)や、最高級の丹波大納言小豆を使ったぜんざい、宇治金時のかき氷(夏季限定)を味わうことができます。
茶寮 宝泉
  • http://housendo.com
  • 京都府京都市左京区下鴨西高木町25 MAP
  • 京都市バス「下鴨東本町」下車徒歩約3分
  • 10:00~17:00(L.O. 16:30)
  • 水・木曜、年末年始
  • 075-712-1270
  • あり(8台)

日本茶を楽しむヒントに出会えるティーサロン

ふわふわの求肥のお餅に薄茶をかけて食べる「茶妙 雪平」1,430円。玉露×薄皮饅頭、季節限定の取り合わせも ふわふわの求肥のお餅に薄茶をかけて食べる「茶妙 雪平」1,430円。玉露×薄皮饅頭、季節限定の取り合わせも

世界遺産・東寺の南大門から徒歩5分。築約100年の商家をリノベーションした「◯間-MA-」は、日本茶の自由な楽しみ方と、そこから広がる多彩な文化を紹介するティーサロン。
こちらで話題のメニューが、和菓子にお茶をかけていただく「茶妙(さみょう)」。クローブを効かせた黒糖餡を包んだお餅に抹茶を合わせたり、爽やかな新茶にレモンが香る葛まんじゅうを注いだり。皮がふやけ、お汁粉のように餡がとけ出した後も美味。見た目や香り、食感もユニークで、五感を刺激してくれる味わいです。

シックな佇まいの空間で、お茶を飲む時間を慈しむ

天井が高く、土壁や古い建具、アンティーク家具が彩るティールーム 天井が高く、土壁や古い建具、アンティーク家具が彩るティールーム

「いいお茶は食べてもおいしい。ルールに縛られずお茶を楽しんでほしくて、お茶漬け菓子を考案しました」と話す店主は、茶道にも造詣が深い方。予約制で、バーカウンターで気軽な茶道体験をすることも可能です。日本茶の種類も豊富で、日本各地の緑茶を中心に和紅茶、国産中国茶も揃います。
長い時を刻んできた柱や梁、土壁が印象的な店内は、心が落ち着くような静謐な佇まい。しゅんしゅんと釜の湯が沸く音に耳を澄ませながら、極上の一服を味わってみてください。

みちくさの達人コメント
こちらの元の建物は炭問屋。質屋として使われた時代もあり、随所で各時代の名残を感じられます。茶器のセレクトも素敵。「お茶のある時間」を豊かにしてくれる、アートや音楽イベントも開催されています。
間-MA-
  • https://0ma.jp
  • 京都府京都市南区西九条比永城町59 MAP
  • 近鉄京都線 東寺駅から徒歩約5分
  • 11:00〜17:00
  • 水曜
  • 075-748-6198
  • なし
  • 利用は予約制です。HPの予約フォームまたは電話をご利用ください。

祖母から孫娘へ受け継がれた「タルトタタン」の味

「タルトタタンとコーヒーのセット」1,397円。フランスのタルトタタン愛好家協会からも認められた味 「タルトタタンとコーヒーのセット」1,397円。フランスのタルトタタン愛好家協会からも認められた味

平安神宮のお膝元で、多くの美術館が集まる岡崎エリア。「ラ・ヴァチュール」はこの街で愛され、2021年で50周年を迎えたカフェです。看板メニューは、リンゴを使ったフランスの伝統菓子「タルトタタン」。現地で食べたタタンに惚れ込んだ先代が工夫を重ね、再現したのがはじまり。現在は、孫娘である二代目がレシピを受け継がれています。
1台に20個以上のリンゴを使い、4時間かけてコトコト煮詰めた後、タルト生地を被せてオーブンへ。果実の甘みがぎゅっと凝縮されたケーキのおいしさに、思わず顔がほころびます。

訪ねるたびに、異なるリンゴのおいしさに出会えます

レトロなタイルの床に、アンティーク家具をセンス良く設えた店内 レトロなタイルの床に、アンティーク家具をセンス良く設えた店内

一年を通してタルトタタンを提供しているラ・ヴァチュールでは、リンゴの時期によって変化する味を楽しめます。また、定番品種の「ふじ・サンふじ」のほか、極早生種でジューシーな「メルシー」、甘酸っぱい「コックス・オレンジ・ピピン」など、3種のリンゴで作るタタンの食べ比べセットもあります。
白とブルーを基調にした外観、アンティーク家具やソファをゆったりとしつらえた店内は、パリの街角のカフェのよう。小粋な気分でティータイムを楽しんでみてはいかがでしょう。

みちくさの達人コメント
ケーキは他に、フランスのチョコレートケーキ「オペラ」、クッキー生地の中にキャラメルとクルミが入ったスイスの伝統菓子「クルミのタルト」の2種類があります。テイクアウトも可能です。
ラ・ヴァチュール
  • https://voiture.buyshop.jp
  • 京都府京都市左京区聖護院円頓美町47-5 MAP
  • 京都市バス「熊野神社前」下車徒歩約5分
  • 11:00~18:00(L.O.17:30)
  • 月曜、不定休あり
  • 075-751-0591
  • なし

氷のうつわも芸術的。祇園の老舗氷店のかき氷

生オレンジの果実と果汁がたっぷり入った「かき氷 生搾りオレンジ」1,000円。夏限定で桃やパイン味も 生オレンジの果実と果汁がたっぷり入った「かき氷 生搾りオレンジ」1,000円。夏限定で桃やパイン味も

八坂神社のお膝元、祇園・下河原通。1883年(明治16年)創業、京都で最も歴史がある氷店「森田氷室本店」の五代目兄弟が営むカフェバーです。自慢は、72時間をかけてゆっくりと凍らせる氷で作る「かき氷」。これを、職人の手で氷塊を削って仕上げる氷のうつわで提供しています。
「氷のおいしさをシンプルに味わってほしい」と、フレーバーは、生のフルーツを使った「生搾り」や、宇治金時などが中心。不純物がなく、硬く締まった氷は雑味のない口当たり。舌の上でふわりと溶け、余韻も爽やかです。

夜はおしゃれなバーに変身。琥珀色のウイスキーを丸氷で

森田氷室本店の2軒隣の京町家をカフェバーに。坪庭が見える窓辺のソファ席が特等席 森田氷室本店の2軒隣の京町家をカフェバーに。坪庭が見える窓辺のソファ席が特等席

お店がある下河原通は、八坂神社の南門と界隈のランドマークである八坂の塔をつなぐ通りで、風情ある旅館や料亭もたくさん。京町家も多く残っており、page oneの建物もそのひとつ。落ち着いた雰囲気でくつろぐことができます。
質のいい氷があるならば、上質なお酒をオン・ザ・ロックで体験してみたいもの。夜はバーになり、ウイスキーや京都産のクラフトジンなどを堪能できます。純度の高い丸氷でいただく蒸留酒は格別。老舗氷店の昼と夜の顔を、どちらものぞいてみてください。

みちくさの達人コメント
手作業で氷のうつわを削っているので、一つとして同じ形はありません。うつわが冷たいおかげで、最後のひと口までひんやり、ふわふわの氷を楽しめます。
祇園下河原 page one(ページワン)
  • http://www.pageone-gion.com
  • 京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下ル上弁天町435-4 MAP
  • 京阪本線 祇園四条駅から徒歩約12分
  • 11:00〜18:00、18:00〜24:00
  • 水曜
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